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実践データ 「小松菜」 in 三重県鈴鹿市 (2013年11月11日)

 小松菜栽培の実践データをご紹介いたします。
 苦土炭カルの施用によりpH調整を行い、太陽熱養生処理により土壌改良を行った結果、収量が2t/反まで上がりました。その実践データをご覧ください。

【情報提供元】
ロジカルチャーファーム 日比野氏(2013年 新規就農)
三重県鈴鹿市

【改善前】
◎この地域の土壌は、表層腐植質黒ボク土(※1)に分類される
◎土壌団粒は少なく、かたい土壌であった
◎有機物の施用は過去5年間なし
◎土壌分析値(Dr.ソイル)
  pH4後半 ・ CaO 80mg/100g土 ・ MgO 10mg/100g土

(三重県鈴鹿市は、お茶の栽培が盛んな地域であるため、
pHを上げる石灰や苦土の施肥が少ない地域である)

【改善策】
◎土壌分析を行い、施肥設計を自らたてた
◎施肥後、太陽熱養生処理(※2)を行った(作付前、毎度)
◎施肥量
 (1作目)
 ・苦土炭カル(アルカリ分50%、苦土15%) 666kg/反
 ・放線菌堆肥 500kg/反 (JBF資材)
 ・アミノバード 100kg/反 (JBF資材)
 ・ケルプペレット 33kg/反 (JBF資材)
 ・クワトロミネラーレ 17kg/反 (JBF資材)
 (2作目)
 ・苦土炭カル 333kg/反
 ・大地のサプリ28 1,000kg/反 (JBF資材)

【改善後】
◎土壌分析値(Dr.ソイル)
 pH6 ~ 6.5 ・ CaO 200mg/100g土 ・ MgO 70~80mg/100g土
◎土壌団粒
 2013年6月上旬の太陽熱養生処理において、棒が65cmまでささったという実績あり
 (養生処理前は15cmまでしかささらなかった)

【作付スケジュール(2作目)】
播種:2013年9月中旬(最初) → 収穫:10月中旬
播種:2013年9月下旬(最後) → 収穫:10月下旬

【収量(2作目)】
◎約2t/反(出荷量ベース)
参考:全国平均 約1.35t/反 平成24年度 野菜生産出荷量統計 小松菜出荷量


 日比野氏は、自ら土壌分析を行い、自ら施肥設計を立て、就農から1年もたたずに成果を上げた若き実力者です。弊社の技術が実践され、成果が上がっていることは大変喜ばしいことです。生産者へのサポートや技術提供は、我々の役目であると改めて感じます。
 彼の今後の活躍に期待が高まります。来年は一体どんな成果を見せてもらえるのか楽しみです。



【用語解説】
≪(※1)表層腐植質黒ボク土≫
有機物含量は5〜10%以上で、黒色層の厚さは25〜50cmである黒ボク土。 火山灰台地および火山山麓などの地下水位の低い地帯に分布する。
一般的な性質として、
①リン酸の固定力が強くリン酸に乏しい
②養分を保持できる容量は高いが、その保持力は弱く、過剰な施肥により酸性化しやすい
③仮比重は0.5-0.8と軽しょうな土壌のため風食・水食を受けやすい
④保水力がやや小さく過乾のおそれがある
出典:農業環境技術研究所 土壌情報閲覧システムより

≪(※2)太陽熱養生処理≫
 中熟堆肥と太陽熱を利用した土壌団粒促成法のこと。畑に中熟堆肥とその他分析を通じて必要と判断されるミネラル肥料などを施用し、適当な水分状態でシートなどでマルチする。太陽熱を利用して、マルチ内を温め、土壌の団粒化を進め、あわせて土中の病害虫を駆逐する。
ポイントは以下の3つ
①堆肥は、土壌病害を抑える放線菌やバチルス属菌の含み、C/N 比が15~25、発酵温度は62℃を下回ること そして水を含んで指先で練るとネバネバするもの
②施用後の土壌水分は60~80%。土を握ると塊にはなるが、水が滴るほどではない状態
③地温25℃以上で20~30 日程度、積算温度で450~900℃
(土壌病害抑制目的であれば、地温55℃以上を3 日以上維持し積算温度800~900℃)


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