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施肥設計について

施肥設計ソフトの使い方

(各図はクリックすると大きな図が見られます)

1.ソフトの特徴

このソフトで肝心な点は、
土壌分析データからCEC(保肥力)を求めることができ、
そのCECに基づいて、
石灰・苦土・カリと言う土壌の化学性を形作っている肥料養分の
適正な施用範囲(上限値と下限値)が自動的に計算されることです。


土のCEC値は個々の畑によって違うものです。
また何をどのくらい施すかによっても変わってきます。
同じ施肥量であっても土のCECによっては、作物にとっては養分が過剰になったり不足になったりするのです。
だから、CECの数値のない分析データでは的確な施肥設計はできません。

土壌分析データからCECを計算し、そのCECをもとにより的確な施肥設計ができるようにしたのが、「施肥設計ソフト」です。


「施肥設計ソフト」

「施肥設計ソフト」


数値の算出には土壌学の理論を応用していますが、適切な施肥量の範囲などは経験値に基づいています。
そのためソフトで得られたデータは近似値であることを否めません。
しかし、実際の試行錯誤の成果を反映させたデータを踏まえているので、「より的確なデータ」であると考えています。

以上のことからこのソフトにも限界があります。

※注意※
泥炭地のような腐植がとても多いところでは、ソフトで求めたCECでは不足しがちです。
このような畑では、実際にCECを測り、そのデータをソフトに入力して設計をしてください。

また、イネとトマトでは施肥が違いますが、その違いの多くはチッ素施肥の違いです。
このソフトでは、作目ごとのチッ素肥料のやり方の目安を得ることはできません。
※※※※


しかしながら、大方の作物であれば、
生育が安定して作柄も良くなり、
収量・品質の向上が望めるだろうという石灰・苦土・カリの肥料養分量(土壌の化学性の数値)を求めることができます。


チッ素の施肥量の目安については、小祝政明の著書「有機栽培の基礎と実際」に載っていますので、そちらもご参照ください。


2.ソフトの構成と注意事項


このソフトは、マイクロソフト社製のエクセルという表計算ソフトで作ってあります。
ファイルを開くと「設計シート」「原盤」「堆肥配合」の3つのシートがあります。
施肥設計に使うのは「設計シート」です。

「原盤」は参照するデータや計算式が入っていますので、変更しないようにしてください。【図1】


【図1】

【図1】


「設計シート」を開きます。このソフトは元々弊社の業務用ソフトだったため、シート上部には資材名が入力され、その成分等が表示されています。【図2】


【図2】

【図2】


行番号23より下にはいくつかの表がありますが、この中で重要なのは、
【施肥前の分析値】
【施肥後の補正値】
【ミネラル指標】
の各欄です。

※注意※
空欄となっているところにも計算数値を入力してありますので、操作には注意してください。
※※※※


【図3】

【図3】


各欄に入力されている数字には色がつけてあります。【図3】
測定値は黒字ですが、それに連動して変わる数字は、
その数値が適正値の範囲であれば黒字、
適正値より低ければ緑文字、
適正値以上であれば赤字で表示されます。


3.ソフトの操作の流れ


まず最初に、「測定値」の各欄に土壌分析のデータを入力していきます。
(基本的にはpHと石灰・苦土・カリの分析値が分かれば良いです)

データを入力すると、その数値に基づいてCECやpHが計算され、そのCECに対応した適正な土壌養分量の範囲が「下限値」「上限値」の欄に表示されます。
この「下限値」「上限値」の間の数値になるように施肥設計をします。【図4】


【図4】

【図4】


下限値から上限値には幅がありますが、どのあたりの数値を目安にするかは、CECの値によって変えていきます。

●ポイント●
表示されたCECが10~15程度と小さい値なら上限値に近い値を目安にします。
20より大きければ上限値と下限値の中間くらいの値を目安にします。


これはCECが小さいほど保肥力が低いということなので、施肥量を適正幅いっぱいの多めに設定しないと追肥の回数が増えすぎてしまうからです。
●●●●

施肥量の目安をどのあたりにとるかは幅のあるところですが、
各人の経験や栽培のねらいに応じた値をとってください。

測定値が上限値よりも大きければ、養分的には過剰ということになりますので、その養分については施用する必要はありません。


4.ソフトの操作手順


実際にソフトを使ってみましょう。

(1) 測定値に値を入力します。【図5】
  比重:1.2
  pH(水):6.0
  交換性石灰:180
  交換性苦土:40
  交換性加里:40


【図5】

【図5】


(2) 入力した値によって、表の数値が変化します。
  CEC:17.4
  交換性石灰:下限値=195、上限値=293
  交換性苦土:下限値=35、上限値=53
  交換性加里:下限値=30、上限値=47

文字の色は石灰が緑で、苦土とカリが黒です。
下限値、上限値の幅から見れば、石灰が不足しており、
苦土とカリは範囲内に収まっていることが分かります。
これらの数値は全て10aあたりの各養分の成分量(kg)を表しています。

(3) CECが低い値なので、上限値に近い値を目安に設計します。
  石灰:293-180=113
  苦土:53-40=13(範囲内ですが、上限値から少ないので施用します)
  カリ:47-40=7

以上のことから成分にして、石灰を100kg程度、苦土を10kg程度施用すればほぼ適正値に収まります。


5.根の張り方に応じた施肥設計


実際の肥料の必要量の出し方です。
画面上部の肥料名の出ている一覧表を見ます。
ここでは弊社の肥料で計算していますが、もちろんこの肥料でなくても構いません。
お使いの肥料に合わせて成分を計算してください。【図6】


【図6】

【図6】


(1) 石灰資材は「ハーモニーシェル」が石灰(カルシウム)を53%含んでいるので200kg使うと、成分で石灰を106kg施用したことになります。
  200×0.53=106

苦土資材は「マグマックス」が苦土(マグネシウム)を65%含んでいるので20kg使うと、成分で苦土を13kg施用したことになります。
  20×0.65=13

これらの数値を商品名の載っている一覧表の青い欄「必要量」というところに入力します。【図7】


【図7】

【図7】


(2) 下の表にある「耕耘深度」の欄を見ます。
上記の数字を入力したことによって、この欄の数値も変化しています。

【ミネラル指標】は各深度ごとのミネラル量が分かります。

これにより作物の根の張り方に合わせた施肥設計が立てられます。【図8】


【図8】

【図8】


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