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書籍について

有機栽培の病気と害虫

有機栽培の病気と害虫
出さない工夫と防ぎ方
-小祝政明の実践講座5-

著者名:小祝政明
出版社名:農山漁村文化協会
発行年月日:2011年12月
価格:1,944円(税込)
ISBN:978-4-540-1195-2

実践講座1~4のような適正な施肥をしていても、病害虫にあう場合があります。
そのようなときに、病害虫がどうして起こるのか、また、どうしたら病害虫を抑えられるのかを
解説しています。
無農薬だけでなく、減農薬にも利用できるので、農薬を減らしていきたい全ての方へお勧めです。

注文については、各書店、インターネット書店、田舎の本屋さん(農文協)をご利用ください。

10冊以上まとめ買いされる方は、弊社までご相談ください。

内容紹介

病害虫の被害を抑えるためのポイントは大きく2つあります。
1つは、植物の免疫力・抵抗力を高めること、もう1つは、圃場の病原菌の数を減らすことです。この2つそれぞれが病害虫の被害に対してどのように関わっているのか、また、どのようにすれば効果を高められるのかを解説しています。

2つのポイントを押さえるキーワードとして【中熟堆肥】、【太陽熱養生処理】、【放線菌や納豆菌の菌液】などがあります。これらの作り方や使い方など、具体的な方法を紹介するとともに、今まであまり語られてこなかったこれらを行う時に注意しなければならない点を細かく紹介しています。

目次

図解 これで防げる有機栽培の病気と害虫
第1章 病害虫vs作物・農家―なぜ病害虫は「加害」するのか?
 1.病害虫の性質 病気とは 害虫とは
 2.基本は作物の防御力アップ
第2章 作物の防御力を高める―強靱なセンイづくりを支える施肥、土つくり
 1.有機施肥の優位性
 2.有機施肥のねらいを支える土
第3章 畑・土の防御力を高め、作物防御力をバックアップ
 1.作付までに病害虫を減らす
 2.生育中の作物防御力をバックアップ
第4章 作物別・病害虫別対策の実際
 1.作物別の対策
 2.病気・害虫別の対策
 3.有機栽培への切り替え時の注意
第5章 事例編
 【事例1】輪作+太陽熱養生処理+菌液かん水・散布で無農薬葉物栽培
 【事例2】土壌団粒づくりと、有用菌液で圃場と作物の防御力アップ 糖度九度の有機トマト一八t
 【事例3】BMW活性水と「畑の防御力」アップでリンゴ減農薬栽培
付録 用語集


本書は、有機栽培での病害虫対策について、私の考えをまとめたものである。
 有機栽培では基本的に化学農薬を使わない。そのため、多くの農家の方が、病害虫対策に苦労させられているし、どうしたらいいかという相談も多い。
 私は病害虫対策の基本は、畑・土の防御力と作物の防御力を高めることだと考えている。その基本は「ミネラル優先・チッソ後追い」の施肥によって、「炭水化物優先・チッソ後追い」の生育を実現することである。このような生育を実現することで、光合成によって作られた炭水化物をセンイ強化につなげることができる。センイ強化は作物の防御力の基礎なのである。
 しかしながら、ミネラル優先の施肥を行ったつもりでも、なぜか病害虫に悩まされることも多い。そんな畑は土が硬かったり、水はけが悪かったりする。土の団粒構造が十分に発達していないために根の張りが悪く、チッソ優先の肥効・生育になって、病害虫を呼ぶのである。
 つまり、「ミネラル優先・チッソ後追い」の施肥を実現するためには、団粒構造の発達した土が必要になる。そして、これが畑・土の防御力の源なのである。
 さらに、土の団粒構造が発達していたとしても、作付け時にすでに病害虫が潜んでいたのでは、病害虫被害をなくすことはできない。前作の残渣や土には、土壌病害虫や地上部の病害虫が残っていることも多いからだ。
 そこで私が勧めている方法が「中熟堆肥+太陽熱養生処理」だ。これは土壌団粒を速やかに作るために考案したものだが、土の物理性だけでなく、生物性も大きく向上させ、土壌病害虫だけでなく地上部の病害虫にも驚くほどの効果を発揮してくれている。
 さらに、病害虫を抑える効果のある有用菌群を土壌施用したり、作物に噴霧する方法を併用することで病害虫が居づらい圃場空間を作ることができる。

 有機栽培の基本は、作物の生理を理解することである。作物の生命活動の根源は光合成であり、光合成によって作られる炭水化物が作物の健全な生長を支え、糖度や栄養成分を高めてくれる。そしてこの炭水化物は作物の防御力を支えるセンイを作る物質でもある。つまり、作物の生理にしたがい、光合成が盛んになるような施肥と土作りを行うことが、高品質・多収と病害虫抑制を両立させる鍵となるのである。

 これが本書の基本的なスタンスであり、このような方法論によって有機栽培での病害虫被害を軽減できるし、実際、多くの農家が実践して成果を上げている。本書はそのような実践の集大成でもある。ぜひ、栽培の現場でご活用いただきたい。

 なお、植物生理の基礎や有機栽培の考え方は『有機栽培の基礎と実際』で、資材の特徴などは『有機栽培の肥料と堆肥』で、またイネ・野菜・果樹の作目ごとの栽培につては三冊の単行本としてまとめているので、本書とあわせてお読みいただきたい。

2011年11月 小祝 政明

本書「はじめに」より




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